サーフィンは初心者にやさしくないスポーツだと私が考える理由

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サーフィンはとても楽しいスポーツです。

波の上に立つ、あのなんともいえない浮遊感とスピード感がサーフィンの魅力ではないでしょうか。

一方で、自然相手のとてもむずかしいスポーツとも言えます。その上、独特の社会構造があり、初心者にはやさしくないスポーツだと私は常々思っています。

本記事では、その初心者にやさしくない部分やその理由、それを乗り越えるための考え方などを書きたいと思います。

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初心者にやさしくないところ

邪魔者扱いされる

スノーボードやスキーには初心者用ゲレンデや上級者用ゲレンデがあります。

初心者用ゲレンデで上級者の邪魔をしてしまったとしても、上級者は「ここは初心者用ゲレンデだから」とおそらく許してくれるでしょう。

サーフィンは、一般的にはそのようなエリアは決められていません。一つのサーフポイントの中に、初心者も上級者もプロも一緒に入れてしまいます。

初心者には不安定な海の中をパドリングで自由自在に動くことは難しく、初心者が上級者の邪魔をしてしまうことがよくあります。

スピードが出るので、ぶつかると非常に危険で怪我をするおそれがある上、「同じ波は二度と来ない」というちょっとロマンチックな考え方の人が多いのか、ライディングの邪魔をしてしまいやすい初心者は、上級者の目の敵にされがちです。

波に乗らせてもらえない=練習しにくい

私はゴルフも少々やります。サーフィンと同じ個人競技でも、ゴルフは初心者にもやさしいスポーツだと感じます。

上級者はやさしくいろいろ教えてくれますし、一緒にラウンドしてくれたりもします。

ゴルフはボールを何回も打つことができ、打てば打つ程上達すると思います。

サーフィンは波に何回も乗ることにより上達しますが、良い波には上級者が乗ってしまい、なかなか乗らせてもらえません。

初心者に波を譲ってくれることなんてまずありません。

自然相手

波に長く乗る練習をするには、長く乗れる良い波が発生しないと練習できません。

サーフポイントによると思いますが、週末サーファーですと、週末に良い波が来なければなりません。自然相手では、そんな都合良くはいきません。

上記「波に乗らせてもらえない」にも関連してきますが、長く乗れる良い波が発生した日は、当然上級者もそのポイントに集まってきます。

せっかく良い波が発生したのに、乗らせてもらえず練習できないということになってしまいます。

なぜやさしくない(してくれない)のか

チーム競技でないから

例えば、草野球、草サッカーなどのチーム競技で初心者がチーム内にいた場合、ある程度、チーム内の上級者がフォローしてくれると思います。野球ならポジションをライトにするとか、下位打順にするなど。

サーフィンは基本ひとりでやるものですから、波待ちしている全員が敵(波を取り合うという意味で)だとしたら、誰もフォローしてくれないということになります。

独特の社会構造のせい

私は、サーフィンには独特の社会構造があると感じています。

誤解を恐れずに言うとそれは、「海の中では上手い奴がエライ」という構図です。完全に実力主義の世界です。

当然、これは誰かが決めたことでなく、サーフィンというスポーツの難易度の高さ、自然相手という特性があるために自然とそうなっているのだと思います。

サーフィンは波に乗らなければ練習できません。良い波に乗れなければ楽しくありません。良い波はいつ海に行っても発生しているわけではありません。ですから、本音を言えばサーフィンを楽しむためには人に波を譲っている余裕はないのです。よく、波をシェアするなどと言われますが、それについてBCM surf patrolというサイトに以下のような波のシェアについての記述がありました。

そこにいるサーファー同士でシェアする(=分け合う)にあたっては、サーフィンのレベル、ローカルかビジターか、道具は何か、男か女か、大人か子供か、などの様々な要素が絡み合った上でできる絶妙なバランスによって、一人一人の分け前が決まると思って良い。

上手いサーファーは波を見る目も違うし、そのレベルに応じて自然と波に乗る本数も多くなるものだ。ここで大事なのは、あくまでも「自然に」そうなる、というところ。一本でもそのサーファーの良いライディングを見れば、きっと周囲のサーファーは一目置いてくれる。

このサイトは有名なサーフィン情報のサイトです。「分け前が決まる」と言っていますから波は初心者に平等にまわってこないでしょう。

サーフィンはパドリングで不安定な水の上を進みます。初心者の頃は、本当に思い通りに進めませんので、自分のことに精一杯になり、他人の進路を妨害したりしがちです。そんなレベルでは、「自然に」1本もシェアされないでしょう。

上級者がたくさん乗れるというのは間違いないと思います。正に実力主義です。

他にこんな記述もありました。

子供・女性・年配者など弱い立場のサーファーと波を争うなんて、決して誉められたものではない。頭で解ってはいても、波のブレイクばかりに集中していると、つい周りが見えなくなりがちだから、自分がそんな恥ずかしい行為をしていないかどうか常に客観的にチェックしておこう。

この「弱い立場のサーファー」の中に、初心者は含まれているのでしょうか?特に若い男性の初心者は、弱い立場とは見てくれないのではないでしょうか。そういった点でも、波に乗らせてもらえるチャンスは少なくなると考えます。

初心者にもサーフィンを楽しんでもらいたいと心から思っているのは、おそらくサーフショップのようなサーフィンを商売にしている人達か、サーフィンの普及活動をしている人達だけだと思います。

良い波はめったに来ないから

年間を通してサーフィンをしていますが、本当に良い波だと思う日は、年に2~3回くらいしかありません。もちろん良い波と感じるのは個人差がありますし、毎日サーフィンできる人や良い波が発生しやすいポイントに入れる人はもっと多いかもしれませんが、いつも良い波に恵まれている人は日本では少ないと思います。

みんな限られた時間や限られた波の中でサーフィンしています。

だからなのか、波が良くなると当然そのポイントは混雑します。混雑すると、みんなピリピリしながらサーフィンをしているように感じています。

そんなピリピリムードの中、初心者が進路妨害なんかしてしまえば、ものすごい剣幕で怒られるでしょう。

いつも良い波が来るわけではないので、やっと来た今日一とも思える良い波に乗ったら、進路を妨害されたとなれば、本当に腹が立つ気持ちはわかります。

ですが、一般生活の中で、ちょっと邪魔をされたくらいで見ず知らずの人に対し、怒ったりすることはあるでしょうか?怪我をしていたかもしれないくらい危険だった、など理由もあるかもしれませんが、衝突していなくても怒鳴ったりしているような気がします。

波の無さがピリピリムードを作りだし、ピリピリムードが初心者を遠ざける結果となっていると思います。

ではどうしたらよいか

上記のように、波に乗れなければ練習できない、良い波は上級者のもの、目の敵にされるのでは、初心者にとっては本当に悪循環でいつまで経ってもうまくなれません。

でも、上手い人達はみんなこの状況を乗り越えて上手くなったはずです。

私は上級者ではありませんが、この悪循環は乗り越えたと思っています。

サーフィンを楽しむために、その考え方やアイデアなどを紹介します。

「上手い奴がエライ」を受け入れる

独特の社会構造と言いましたが、これを受け入れることです。

サーフィンをやっていると一般社会では理不尽と思えるようなことで怒られたり、嫌な思いをしたりすると思います。私は怒られた経験はありませんが、嫌な思いをした経験は何度かあります。

覚えているのは、やっと横に行けるようなレベルになった頃、波待ちをしている私の周りを上級者が行ったり来たりしてプレッシャーをかけられたことです。波のピークに合わせ移動していたなどではなかったと思います。おそらく、「どけ!」という威嚇行為だったと思います。そのポイントはローカル専用のようなポイントでもないですし、特別波が良かったわけでもありません。単純に目ざわりだったのかもしれません。

当然腹が立ちました。腹が立ったので今でも覚えています。一般社会の常識では考えられない行為です。ですがサーフィン特有の社会構造では「上手い奴がエライ」のだと受け入れ、その場からすぐ移動しました。

ただし、初心者の頃は、迷惑行為を自覚できないことが多いです。私も迷惑行為をしたから上記のような威嚇行為をされたのかもしれません。「これが迷惑行為!?」というようなこともあるかもしれませんが、それも含めて受け入れることです。

空いているポイントに入る

当然、良い波が発生しているポイントに入りたいですが、まずは混み具合を確認します。

空いていれば入った方が良いですが、混雑していると人に迷惑をかける確率も高くなります。ポイントは複数あると思いますので、波質は少々落ちても空いているポイントに入れば怒られたり、嫌な思いをしたりする確率も少なくなります。

長い海岸線のビーチブレイクだと全く人がいないのに良いピークがひっそりとあったりします。ただし、人がいないのには何か理由(危険だからなど)があるからかもしれないので、十分に注意してください。

早朝、連休最終日の夕方、悪天候(雨)を狙う

人がいない空いている時間帯を狙うということです。早朝は、明るくなったらすぐ入る。連休の最終日の夕方は、帰る人が多くなると考えられるから。悪天候は、単純に人が少なくなると考えられます。悪天候は、雷や台風直撃の時に入るということではありません。暖かい晴れた日より、寒い雨の日の方が人が少なくなる可能性が高いということです。

早朝、夕方に入ると良いことが他にもあります。沿岸部では海と陸の温度差により海陸風という風が吹きます。昼間はこの風が海から陸へ吹き強まることもあるため、強ければ海面に影響してきます。早朝、夕方には凪と呼ばれる時間帯があり、海陸風がほぼ無風状態となることがあるので、その時はサーフィンがしやすくなります。

自分がコワモテになる

サーフィン上級者といっても、陸に上がればほとんどが普通の人だと思います。初心者で目ざわりと思っても、その初心者が超コワモテだったとしたら、そんな人には強くは出ないでしょう。

このあたりはサーフィンの上手い下手ではなく、自分自身の腕力への自信や、バックの組織的なものへの自信みたいなもので相手への対応が変わるでしょう。不良どうしの争いみたいなものだと思います。

サーフィンは若者や比較的ヤンチャな人がやるイメージのスポーツですから、こういう考え方をしているであろう人が多い気がします。

上級者に近付かない

上級者に近付くということは、同じ波を取り合うという可能性が高くなりますから、単純に波に乗れる本数が少なくなってしまいます。ですから私は常にこれを心がけています。

また、これは迷惑をかけないようにするということにも繋がってきます。知らず知らずのうちに迷惑をかけてしまい、相手も自分も嫌な思いをするかもしれないから、最初から近付かないという考え方です。

おわりに

私が以上のような考え方になったのは、メンタルが比較的弱い、腕力にも自信がない、コワモテでもない、上達が早かったわけでもないという理由からかもしれません。サーフィンを楽しみたければ「郷に入っては郷に従え」しかないと思ったからです。

中には環境に恵まれていて、全く共感できない方もいるかもしれません。

初心者にすごくやさしい上級者もたくさんいるはずです。

海の中で感じる空気感みたいなものも、私の思い過ごしかもしれません。

ですが、ネット情報などからきっと同じように感じている方がいると思ってこの記事を書いてみました。

協会には、「サーフィンをオリンピックに!!」と普及活動をするなら、初心者にやさしいスポーツになるよう啓蒙していただければ、サーフィン人口も増えて良い結果に繋がっていくのではないでしょうか。