サーフィンを始めるきっかけが、「サーフボードをもらったから」という人もいると思います。
また、たまにリサイクルショップなどで中古の格安ボードが売られたりしています。
どんなスポーツでも道具が必要なスポーツには、初心者用~上級者用まで競技者のレベルに合わせた道具があると思います。
サーフィンも初心者用のボード、上級者用のボードなどレベルに合わせたボードが各社から出ています。
新しいボードが欲しいと思って、好きなメーカーがあればそのカタログを見ることがあると思いますが、ほとんどの場合「初心者向け」や「中級~上級向け」などの表示がされています。お店で購入すれば、経験豊富な店員さんが説明してくれて、自分に向いているボードかどうかがわかり、購入の目安となります。
オーダーの場合は、自分のレベルや好みのデザインを伝えれば、文句なしの自分専用ボードが出来上がるでしょう。
ところが、もらったボードやリサイクルショップではそのボードがどんなボードかわからないことが多く、自分に向いているのかがわかりません。
今回は、そういった正体不明のボードの購入や使用に当たり、初心者の方が選び方の目安となるようなボードの見方などを書いてみたいと思います。
目次
ボードのチェック項目
長さ
まず、すぐ目につくのは長さですよね。
当サイト「趣味のサーフィン」推奨ボードは、7フィートくらいのものです。できるだけたくさんの波に楽にのるためと、陸上での扱いやすさも考えた長さです。
1フィートは30.48センチですから、7フィートは2メートルくらいとなります。
ボードが長くなればなるほど容積が増えますから、その分浮力もアップしテイクオフやパドリングに有利となります。
逆に長ければ長いほど重量も増えて動かしづらくなり、ターンのしやすさなども変わってきます。陸上では車への積み下ろしなど扱いにくくなります。
幅
ボードの形を見て、一番幅が広い部分をチェックします。
50数センチあるものは幅広なボードといえると思います。幅はインチで表されていることが多く、20 1/2インチで52センチですからその辺りからファンボードの幅の主流となってくると思います。
一般的な6フィート以下のショートボードは50センチ以下であることが多いです。
テイクオフやパドリングがままならないレベルでは、幅広のボードを選ぶことをおすすめします。
幅広のボードを選べば、ボード全体のアウトラインが丸めになることが多いので自然にボリュームのある浮力大のボードを選ぶことになると思います。
また、私はボードの幅は、進行方向に対して左右に傾くような揺れ(ローリング「進行方向(前後)に対して垂直(上下)に交わる軸の軸回り運動」)に影響すると思っていて、当然幅広の方が揺れが少なくなり安定すると思っています。
私は一時期10フィートのスタンドアップパドルボード(SUP)を所有していましたが、諸事情により手放し、その後、手放した10フィートのものより短い8.5フィートだが幅広のものを使用したところ、その安定性に驚いたことがあります。細かいスペックの違いもあったかもしれませんが、ボードの幅で安定性がこんなにも違うものかと実感したできごとでした。SUPは進行方向に対し正対しますから、なおさら横揺れのしにくさが実感できたのかもしれません。
厚さ
ボードの形を見て、一番幅が広い部分辺りの厚みをチェックします。
一般的にボードの厚さは、そのボードの一番幅広の部分の中央部の厚さをインチ(単位)で表します。
それを見てそのボードのボリューム感がだいたいわかります。
良く見ればボードに数値が書いてあったりしますが、ワックスが塗られていたりすれば見えないことも多く、また実際にはなかなか中心部をゲージで測ることはできませんので、ボードのフチ(レール)を掴んで確認します。(店頭に並んでいるものは店員さんに触って良いか必ず確認してください。)
厳密に言うとレールの形状でも乗り味や性能が変わるといわれていますが、まずは厚さでボードのボリュームを確認するくらいで良いと思います。
掴んだときの感覚の目安としては、190mlの缶コーヒーくらいあるとだいぶボリュームのあるボードです。私の所有している、クラシックなタイプのロングボードはそのくらいの感じです。逆に漫画の単行本2冊分くらいで薄めのボードといった感じではないでしょうか。感覚的なことなので厳密に何センチとは言えないのですが、何種類かボードを触ってみるとボリューム感の違いがわかると思います。
当然ボリューム感や厚みのあるボードの方が浮力があり、テイクオフやパドリングには有利となります。
薄めのボードは、技がしやすいハイパフォーマンスなボードである可能性が高く、テイクオフやパドリングの安定性に不安のある方には不向きかと思います。
アウトライン
幅の項目で少し触れましたが、ボードの外観(輪郭)の形です。
一般的にイメージされるショートボードはノーズがとがっていることが多く、小波用、ファンボード、ロングボードなどは丸みがあるものが多いと思います。
アウトラインが丸みのあるものの方が容積が大きくなるので浮力が大きくなり、テイクオフやパドリングには有利となると思いますが、ショートボードのコンテストでやるようなリップアクションをするには少し不利だと思います。
目指すスタイルによって、ボードの形も変わってきます。
フィンの数
サーフボードの進化とともにフィンの数も変化していきました。さまざまな情報を見ると、真ん中に1枚(シングルフィン)だったものがサイドに分けられて2枚(ツインフィン)になり、さらに真ん中にフィンが追加され3枚(トライフィン)に進化していったようです。
現在では、4枚(クアッドフィン)のものもあります(一説には、ツインフィンの後に一時クアッドフィンが出てきたとあります。)。同じクアッドフィンでも、ツインフィンの補助的にフィンを2枚追加した設計のものや、トライフィンのセンターフィンを2枚に分けるように設計されたものなどがあるようです。
まずは上達するという目的であれば、おすすめはトライフィンです。トライフィンは、長いサーフィンの歴史においてより乗りやすくなるように試行錯誤された結果、生み出されたフィンシステムであり、今も廃れることなく使われているからです。
安定性、コントロールしやすさのバランスが一番良いと思います。
おわりに
以上、正体不明のボードを自分なりに分析してみる方法を書いてみました。
もし、既に購入したり、もらったりしたボードをチェックした結果、自分に向いてないかも・・・と思ってもそのボードは処分しないで持っていて下さい。
そのボードにまず乗ってみて自分は何ができないか、足りない力がわかりますので、次のボードを選ぶ基準になります。その結果をもとに、次はサーフショップの店員さんなどからしっかりしたアドバイスを受け、自分に合ったボードを選べば良いと思います。
数年後、上達したときにその向いていなかったボードに乗ってみたら、意外に楽しいボードだったということもあるかもしれません。
こちら(サーフボードの選び方。初心者はロングが良い、とは思わない理由)にもサーフボードの選び方を書いていますので、よろしければ読んでみてください。