サーフィンはパドリングがすべてなどと言われたりすることがありますが、それくらい重要であるということだと思います。
パドリングが疲れる、進まない、テイクオフできないと思うと、筋力が足りないからだと考え、筋肉を鍛えようと思ってしまいます。
当然筋力があった方が間違いなくサーフィンには有利です。海以外でサーフィン用のトレーニングをするとしたら、筋トレとスケボーでのイメトレくらいしかありませんから筋トレを否定しているわけでもありませんし、むしろやった方が良いと思います。
ですが、すぐ疲れる、テイクオフできないのは筋力がないからだと真っ先に考える必要はないです。現に私の腕力は人並みですし、筋トレなどしていませんが、今の筋力で趣味としてサーフィンをする分には十分楽しめています。
本記事では、パドリングについて、なるべく疲れず速く進むにはどうすればよいかを考えてみたいと思います。
目次
筋力は関係ない
サーフィンをしていると、時々自分より上手な女性や子供を海で見ることがあります。
おそらく筋力では男性の私の方が上回っていると思いますが、テイクオフも速いですし、乗った後、沖へ戻っていくスピードも速かったりします。
それを見ると、必ずしも「筋力が強ければパドリングが速い」ではないことが分かると思います。
では筋力では勝っているのに自分の方が遅いのはなぜでしょうか?何か問題があるはずです。
体重
まず体重です。同じ条件なら軽い方が加速は速いと思います。これはどうしようもありません。ダイエットするにしても限界があります。
体重が重いという不利な条件を少しでも減らすには、浮力の大きいボードに乗ることでしょう。浮力が大きくなるにつれ、ボード自体の重さも重くなっていきがちですが、やはり浮力から受けるメリットの方が大きいと私は考えます。
抵抗
次に考えられるのは、パドリング時にボードが進む時に受ける抵抗の大小です。この抵抗を少しでも減らさなければなりません。
パドリングの時にボードが左右にゆらゆら揺れていたり、ノーズが上がりすぎていたりすれば抵抗が大きく、一生懸命パドリングしても全て無駄になってしまいます。
この記事(なぜパーリングしてしまうのか)でも書きましたが、体を自分のボードの一番最適な位置に置き、パドリングは、ボードがゆらゆら揺れないように行なわなければなりません。また、海面の凹凸によってもボードや体が揺らされますから、これをうまくいなし、バランスを取る必要があります。
この「進む時の抵抗」を減らすには、やはりバランスを取る技術が必要ですが、上達のためのチェックポイントをあげるとすれば、パドリングの時に脚が開いていないか?を確認することだと思います。
初心者の方に良く見られるのが、パドリングの姿勢がスカイダイビングのような脚が広がっている姿勢になっているケースです。
これは、一見、バランスをとるには最適なように感じますが、上手い人は絶対にそのような姿勢にはなっていません。バランスをとるために自然に脚が広がってしまうのかもしれませんが、私は逆効果だと思っています。意識して修正する必要があります。
上手い人はパドリング姿勢がウルトラマンが飛んでいる時のような姿勢になっています。脚がぴったり揃っていて少し胸を張っているような姿勢です。
この姿勢になるとサーフボードの重心に体重を集めることができ、抵抗を減らすとともに体がきれいに反り、体重が分散ぜず、不意な海面の動きにも対応しやすくなると思います。
自然に脚が開いてしまっているのなら、脚を閉じるのは大変かもしれませんが、意識して脚を閉じて体を反り、ボードの重心に体を「点」で乗せるイメージの姿勢でパドリングしてみてください。
水のかきかた
パドリングの速い人は、筋肉に負担をかけず、効率よくうまく水をかいていると考えられます。
私もパドリングのやり方を参考書やネット情報でいろいろ調べましたが、はっきり言って人により部分的に言うことは違っています。
例えば「平行にかく」という人もいれば、「ボードの下でS字にかく」という人もいます。
ただ、私が見た限り、どのアドバイスでも一つだけ統一している部分があります。それは、手の指の開き具合です。ピタッと閉じるでもなく、大きく開くでもなく、自然に開くのが良いという部分です。ですからこれは間違いなく意識した方が良いです。
その他の部分でどのアドバイスを採用するかは、自分でいろいろやって試してみることです。自分で試してみて、良いと思う所を部分的に採用しても良いと思います。
足りない部分は道具に頼る
「体重」の項目でも書きましたが、上記問題は道具でカバーできると思います。技術不足がごまかせる部分もあります。
道具とはもちろんサーフボードです。
疲れず、速く海面を進むためには、サーフボードのサイズをできる限り大きくし、浮力の大きいものにします。
「できる限り」としたのは、サーフィンは波に乗ってからのボードのコントロールも大事ですから、あまり大きくしすぎるとコントロールしづらくなりますし、最初の頃はどうしてもワイプアウトしてしまいますから、ボードが流されたときにボードが大きければ大きいほど、周りの人に危険が及ぶ可能性があるからです。
サーフボードの選び方でも書きましたが、初心者にファンボードが良いというのは、安定、技術不足をボードサイズや浮力で補うことができるからです。
サーフィンをするなら謙虚になり、形が気に入らなくても、思い切って丸い感じの大きめのボードを選ぶことをおすすめします。
初心者だから「最初はボードなんてなんでも良い」ではいけません。初心者こそ道具にとことんこだわるべきです。
また、このサイトは「趣味のサーフィン」ですから、初心者でも複数枚のいろんなサイズや形のボードを所有し、波のコンディションに合わせ、使うボードを選ぶなんてことも強く推奨します。
「初心者なのに贅沢だ」なんて全く思いません。各ボードのメリットを生かし苦手なコンディションでもサーフィンを楽しみたいと考えているからです。
ただ、いろんなサイズといっても、所有するボードは全く乗れそうもないボードは選ばないでくださいね。いつかは乗れるようになるかもしれませんが、当分の間は無駄になってしまいます。
「趣味のサーフィン」だからこそお金をかけてもよいと思いますし、ボードのサイズ選びにはルール違反がなく、一定のボードサイズを極める必要もありません。
調子のよい自分に合ったボードに出会った時は、サーフィンが最高に楽しくなります。
ぜひ、道具にはとことんこだわって、足りない技術を補ってください。
まとめ
疲れず、速いパドリングをするためには、筋力を鍛えなくても、まずは、バランスの取り方や技術を磨く、道具に頼ることで十分サーフィンはできるという考え方をお伝えしました。
筋トレがつらいと思うなら、無理にやる必要はないということです。日常使っているその筋力でもサーフィンは十分楽しめます。
ですが、技術にプラスして筋力が強ければ有利になることは事実ですから、筋トレも含めて楽しめる方はどんどんやりましょう。